すてきな先生35

大人っぽく演出されたはずの温泉旅行。

たが、スタートで俺はすでに躓いた。

だって渋滞の高速で、運転中の俺に潤がちょっかいかけてくるから。

だーっ、ちょっと落ち着けって!

危ねえだろ?

翔さんカワイイ

あーもー!

あれ?高速降りるの?

渋滞してるから変わんねえよ

下道に降りて、適当な人気のない場所に停めて

??

きょとんとしてる潤をシートごと倒してやる。

わっ!んっ

さっきから髪の毛触ってきたり、なで肩を撫でたり、お菓子食べさせてきたり

運転に手を取られて反撃出来ない俺を散煽りやがって。

(煽ってない!ちょっとはしゃいでただけ!by潤)

んん、んはしょお、

っあ、ダメだって

うるさい、俺だってちょっとは触らせろ

え、そのために?っあ、ぁ

はあ、はあ

え、え?しょお、ダメだよこんな所で

ダメ。もう止まりません

う、嘘でしょ!?だって今から旅館

止まんない、こんなの

だっ、ダメだって!翔

ごめんもう無理!

翔さん、昼間!路上!

し新車!!

必死で抵抗する潤と、はたと目が合う。

翔さん

い、いやいい!だ、大丈夫!

ーーーーー

数分後。

余韻と反省のため、窓を開けて煙草を吸う俺と

その隣で口をティッシュで拭う潤。

ごめん

ペットボトルの水を渡すと

俺の方こそごめんね、翔さん。

何も考えずに俺ったら。

翔さんはこの旅行のために一昨日から我慢してくれてたのに

や、お願いもう何も言わないで(涙)、あとこの3日間は俺の職業のことも忘れて

その後は潤も大人しくひとりでおやつを食べ、俺も無心で運転に集中し、無事旅館に到着。

着いた!

お疲れさま、翔さんニッコリ。

早くチェックイン!

わあ!

ちょっと頑張っただけあって、解放感のある雰囲気のいい部屋で、入るなり潤が喜びの声をあげる。

すごい素敵、みて翔さん、テラスの向こうに露天風呂!

ふふん

二間続きの部屋は、和室の奥の寝室にベッドが置かれている落ち着いた和モダンな造りで、大きく取られた窓の向こうには広めのテラスと、奥に露天風呂がある。

全室離れのこの旅館は全体的に深い緑に囲まれていて、本当にここで2人きりのような錯覚に陥る。

食事は、敷地内のレストランでいただくスタイルで、つまりこの部屋にはベッドメイクの時以外は誰も来ない。

テラスのソファ、ふかふか!

翔さんも来て、ここ絶対夜星見えるよね?

潤は荷物も解かずにテラスではしゃいでる。

ねえ、お風呂もうお湯が張ってあるよ。

あ、でもお部屋から丸見えだけど、どこで着替えるんだろ?

あ、翔さんお風呂入る?

潤、おいで

とことこ歩いてきた潤をがっしりホールドする。

あ。翔さん、ありがとう

ん?

こんな素敵な所、高かったでしょう?

値段より、予約が大変だったよ

ごめんなさい、全部お任せしちゃって

いいえ喜んでもらえて何より

運転も、代わってあげられなくてごめんね、疲れた?

ちょっとね

お風呂入ってゆっくりする?

そうだねだけどその前に

可愛い潤。

ようやく捕まえた。

んっ

頑張った俺にご褒美頂戴

ん、はぁ、あ

明るいなか窓も開けたまま、潤を裸にしてキスを落としていく。

翔、さ、恥ずかしい

誰も見てないから

窓、開いてる

大丈夫、聞こえないよ

っあ、でも

俺に集中して?

ここ、で?

ベッドはお風呂に入ってから

ソファに寝かされた潤は、明るいところで体を隠すものもなくて

さすがに恥ずかしいらしく、ちょっと涙目。

それにまた煽られつつも、可哀想になって

窓の障子を全部閉めてやる。

やっと、薄暗くなった部屋で潤は安心したのか

翔さんも、脱いで?

俺は後で

どうして

これはご褒美だから。それに、俺さっき一回出しちゃったし

そんな

潤だけ、気持ちよくしてあげる

やぁ

潤、可愛い

あぁ、翔っ

これ、

クセになりそう。

ご褒美。